中畑とは大違い…中日・谷繁監督だからできる「巨人包囲網」
■言うだけの中畑監督とはここが違う
「巨人包囲網だなんだと言ったって、その戦力差を考えれば、勝負にならない、というのがセ5球団の本音。玉砕覚悟で巨人にぶつかるより、3位以内に入ってCSに進出すれば、球団からは一定の評価を得られる。昨年はDeNA中畑、広島野村、ヤクルト小川、中日高木の4監督が契約最終年のシーズンだったから余計です。契約延長を考え、CS狙いという監督もいた。谷繁監督が決定的に違うのは、クビの不安がないこと。就任1年目というのはもちろん、そのバックに白井オーナー、落合GMという中日の2大権力者がついている。4年契約を結び、長期的な視野でチーム再建を託されていて、任期途中の解任という不安は現体制では考える必要がない。本人も<優勝しか考えていない>と言っていて、巨人相手に優勝か最下位かのゼロか100かの勝負ができる環境にある。谷繁中日が打倒巨人を鮮明にして実行すれば、他球団も足並みを揃えてくる可能性がある。昨年とはそこが違います」(球界OB)
昨年、リーグ連覇を果たした巨人は、日本シリーズで楽天に敗れたことで、大補強を敢行。さらなる戦力アップに成功した。その巨人に開幕ダッシュを許せば、昨年の独走Vが再現される可能性が高い。だからこそ、巨人を叩いて勢いを止める、と谷繁監督は考えている。指導者未経験の手腕は未知数だが、キャリアはあってもハナから白旗を掲げるような監督より、はるかに頼もしい。