先発初勝利も今後は悶々…松井裕を苦しめる楽天リリーフ陣
薄氷を踏むようだった。楽天のルーキー、松井裕樹(18)が13日のソフトバンク戦で先発初勝利を果たした。これが2勝目(5敗)ながら、プロ初勝利はリリーフとしてのもの。先発復帰後4試合目にして、ようやく手にした念願の白星だ。
もっとも、当の松井はヒヤヒヤだったはず。それまで1安打無失点に抑えていたが、5点リードで迎えた七回に2失点。球数は130球を超え、NHKで解説していた小久保裕紀日本代表監督も、「いっぱいいっぱいなのかなあ、というのが見受けられますね」と話していた。
松井はプロ入り前から「課題は体力」といわれていた。しかも、まだ高卒1年目だけに、疲労でボールの質が落ちたとしても無理はない。
しかしそれより何より、松井を苦しめたのは脆弱なリリーフ陣。先発復帰後、リリーフに勝ち星を消されること2回。前回登板では5点リードをひっくり返された。この日も3点リードの八回に福山が2失点。ベンチで見守る松井は1球ごとに一喜一憂し、福山が三振で3アウト目を取った時などは思わずベンチを飛び出したほどだ。
ヒーローインタビューでは、「なかなか(先発で)勝ててなかったのでうれしい。中継ぎにもたくさん迷惑をかけてきたので」と話したものの、今後も完投でもしない限りは、降板後にベンチで悶々とするのは避けられない。