オリックス金子獲り狙う ソフトバンクが準備する巨額契約金
「ウチくらい、金子が欲しい球団はないだろう」
ソフトバンクの球団関係者がこう苦笑いする。田中(現ヤンキース)が海を渡った今、「日本のエース」と呼ばれているのがオリックスの金子千尋(30)だ。10勝4敗で12球団唯一の1点台となる防御率1・74。順調なら今季中に国内FAを取得。オフの争奪戦は避けられそうもない。
今季の年俸は2億円。FA宣言すれば複数年の大型契約は確実とあり、獲得可能な球団は巨人、阪神、ソフトバンクくらいのもの。球界では「相思相愛の巨人で決まり」なんて声もあるが、それを札束で覆そうとしているのがソフトバンクだ。
オフには中日の中田、オリックスの李大浩ら、30億円をかけて大補強を敢行。もっか2位オリックスに3ゲーム差をつけて首位を走っているものの、決して安泰というわけではない。
冒頭の関係者は「絶対的なエースがいない」とこう言う。
「12年に17勝5敗で最多勝を獲得したエースの摂津は8勝5敗と物足りない数字。もともと、ルーキーイヤーの09年から2年連続で中継ぎとして70試合以上に登板してから、先発に転向だからね。肩肘に相当な負担がかかっている。首脳陣も『何とか投球術で勝っているけど、ボールの質自体は去年までとは比べものにならない』と話している」