壮行試合で好投の東浜 ソフトB「工藤塾」で潜在能力開花へ
「若い投手を育てないといけない」
ソフトバンクの工藤公康新監督(51)は就任要請を受けた直後、周囲にこう語っていたという。
実際、就任会見でも「若い投手にまだまだ能力を発揮していない人がたくさんいる」と強調した工藤監督の最大のターゲットは、10日の侍ジャパン壮行試合のソフトバンク・日本ハム連合軍の先発・東浜巨(24)。この日は2回無失点で新監督にアピールした。
12年ドラフトで3球団の1位競合の末にホークス入りした2年目右腕は、2年間でわずか5勝。阪神との日本シリーズ第4戦で3回無失点と好投して久々に存在をアピールしたものの、前評判からすれば物足りない成績だ。
東浜について秋山前監督は以前、「踏み出す左足にもう少しタメをつくれれば」と言っていたが、投手出身の工藤新監督はその点もすでにチェック済みだろう。
工藤新監督といえば現役時代、後輩を見つけては丁寧にアドバイスを送っていた。特に自ら学んだトレーニング理論にはかなりのウンチクがある。横浜在籍時は後輩の寺原(現ソフトバンク)を数十分にわたって“指導”。キャッチボールでは、「力を入れて投げるよりひじや肩に負担がかからない」とワンバウンドのボールを投げ合い、リリースポイントや体全体を使うフォームを意識するようアドバイスした。
そんな人が今度は指導者になる。さらに突っ込んだ指導になるのは目に見えている。東浜は来春のキャンプ、新任の佐藤投手コーチを交えての長時間にわたる「工藤塾」を覚悟しておいた方がいい。