元楽天コーチ2人をソフトBに押し込む星野仙一氏の“手腕”
「星野とはそういう男だよ」と言ったのは、球界のベテランOBだ。
前楽天投手コーチの佐藤義則氏(60)と、同内野守備走塁コーチの鈴木康友氏(55)は、すでにソフトバンク入りが内定。その2人の就職先を決めたのは、今季限りで辞任した楽天前監督の星野仙一氏(67)だったからだ。
星野監督が病気で休養中に開催された今年の球宴は、佐藤コーチがパの監督代行を務めることが決まっていた。ところが楽天は急きょ、大久保二軍監督(47)の新代行就任を発表し、球団内の内紛が露呈。
そんなドタバタ劇や大久保新監督が二軍で同じ釜の飯を食った若いコーチ陣を大量に一軍へ上げるといった事情から、年上の佐藤、鈴木コーチは退団に至った。そこで親分が動いた。前出のOBが言う。
「鈴木康友は星野が中日の監督時代からかわいがっている。佐藤は阪神の監督時代に投手コーチに呼び、リーグ優勝に貢献した指導者です。2人は親分の監督辞任で職を失ったようなもの。星野という男は信頼できる子分の面倒はとことん見る。佐藤、鈴木の退団が決まると、すぐにオリックスの関係者へ連絡した。オリックスは今季、森脇体制で好成績を残したのでコーチの大幅な入れ替えはできないと言われ、秋山監督が辞任するソフトバンクの王さんに頭を下げたわけです。ソフトバンクは投手コーチの郭泰源が退団するし、新監督の工藤が人脈に乏しいことも幸いしたようです」