中日・川上憲伸が若手選手に注文 「野生っぽさ薄れている」
選手の“早熟化”を感じる一方で、物足りなさは感じていないのか。
「マニュアルを大事にしているというか、たとえば投手なら、基本に忠実なんですけど、似た感じのフォームの投手が少なくないなと。機械的になった分、野性っぽさが薄れていっているのかもしれないですよね。感性を使って感じ取るというか。それは、普段の練習、試合だけでなく、野球以外の趣味や遊びの中でも、野球に生かせることはあると思うんです」
川上にとっては、それがゴルフなのだという。
「表現が難しいんですけれども、たとえば勝負どころでの気持ちの入れ方ですね。ゴルフをやっていて、『これって、ランナーが二塁にいる時の心境に似ているな』と思うことがあるんです。程よくプレーしていて、勝負どころが来た時に、いきなり気持ちをグッと高めるのは難しい。野球で言えば、先発で登板前は程よく楽な気持ちでいって、マウンドに上がってさあスイッチを入れるぞ! というのは無理なんです。逆にずっと緊張したままでも同じで。〈程よくやる〉と〈緊張してやる〉のバランスが大切なんだと。感情をコントロールして、いざ勝負という時にいかに力を発揮できるか。その心構えはゴルフから学んだ部分もありましたよね」