甲子園21世紀枠快進撃の条件
夏とは違う春の甲子園の特徴のひとつに「21世紀枠」がある。01年から導入され、今年の3校を含めると、計39校が甲子園の土を踏んでいる。
文武両道、部員不足などの困難を克服、あと一歩で甲子園のチャンスを逃し続けているチームなどを別枠で出場させ、多くの野球部員に夢と希望を与えようというもの。各都道府県でベスト16以上の成績が条件となる。
ただ、現実は厳しい。たいていは強豪校の壁にはね返される。公立の進学校が必ず選出され、今年は桐蔭(和歌山)と松山東(愛媛)が当てはまる。これらの公立校が強豪私学にひと泡吹かせる方法はあるのか。
健闘したのは4強入りした01年の宜野座(沖縄)と09年の利府(宮城)。両校のエースは共に左だった。特に宜野座の戦い方にヒントがある。主戦左腕がシュート回転するナックルカーブのような特殊な変化球を投げていた。春は絶対数が少ない左投手が有利。カーブなどのいい変化球があるとなお有利。この時期は実戦経験が少ない。打者の目が慣れていないから、番狂わせの可能性が高くなる。