セ2冠の畠山球宴漏れ G選手優先した原監督の“人事センス”
「選ばれると思っていたけど、仕方ない」と、肩を落としたのはヤクルトの4番畠山だ。
球宴に出場する全選手が昨2日決定。ファン投票、選手間投票に続き、監督推薦による出場選手が発表された。サプライズは19年目で主に代走要員の巨人・鈴木が初出場を決めたことだ。
全セの指揮を執る巨人の原辰徳監督(56)は「迷ったところはあるけど、ファンのためにいいメンバーを組んでパと戦う」と話したが、これは詭弁だ。もっかセの2冠王、ヤクルト畠山がメンバー漏れしたからだ。
畠山は2日現在、19本塁打、57打点の好成績。それでも原監督が選ばなかったのは、捕手で選手間投票選出の巨人・阿部が首痛のため、捕手ではなく一塁手で出場させたいからだ。捕手で選ばれた阿部が一塁へ回れば、捕手が足りなくなり、一塁手の畠山は不要。だから捕手のヤクルト・中村を選んだ。このメンバー選びについて、プロ野球に詳しいビジネス評論家の菅野宏三氏ビジネス評論家が、呆れ顔でこう語る。
「リーグ2冠の打者が球宴に出ないなんて前代未聞のこと。原監督はセ・リーグの監督というニュートラルな立場なら、最初に畠山を選ぶのがファンのためではないか。球宴というビッグイベントは巨人ファンのためだけにあるのではない。これではヤクルトファンだけでなく、プロ野球ファンが怒りますよ。社長になると、自分の子飼いを率先して役員にする者がいる。会社のことより、自分のかわいがっている社員のことを優先すれば会社は伸びない。原監督は今回の畠山外しで株を大きく下げましたね」
くしくも2日はヤクルトが神宮で阪神に快勝。借金を返済して単独首位に立ったのは、チームの主砲をコケにされたナインの怒りがエネルギーになったからだろう。