4紙で60億円負担 大手新聞が東京五輪公式スポンサーの異常
「五輪は、84年のロス大会から当時のサマランチIOC会長によって、放映権料やスポンサー料を中心とした税金に頼らない運営にかじが切られました。しかしこれはあくまで、赤字続きで存続が危ぶまれた五輪を継続させるため、ひいてはスポーツを通して世界平和を実現するというオリンピズムを守るためでした。1業種1スポンサーの基本原則も、五輪は商業主義に侵されてはいけないという理念を前提としたもので、これは五輪運動におけるマーケティングのモラルでもあった。しかし、今の20年東京五輪組織委のやり方を見ると、そうした理念がおざなりになり、資金集めに血道をあげているような印象です。現状では、五輪を利用して利益を生むためだけの構造をつくっているかのようで、これではただの興行的ビッグイベントになってしまう。組織委の考え方は、新国立問題の過程で、64年東京五輪の象徴であり貴重なレガシー(遺産)だった旧国立競技場を拙速に解体し、併設されていた日本で唯一の総合スポーツ博物館だった秩父宮記念スポーツ博物館も同時に壊したことからも見て取れる。レガシー、レガシーと盛んに口にはしますが、20年東京五輪を商業的に成功させるためのプロパガンダにしているだけではないのか。オリンピズムの崩壊を危惧せざるを得ません」