さらに8人がB氏と面識 巨人“後出し”で新事実公表のあざとさ
過去のずさんな調査はもちろん、巨人がこの事実を発表したのは、他の11球団がすべての調査結果を公表した後。12球団で一番最後だった。これ以前に、阪神、ヤクルトがそれぞれ高校野球を対象とした現金授受を行い、西武はチーム関係者が3年前に笠原と「B」との間で賭けマージャンをしていたことを発表していた。
最後の最後に、まるで付け足しのように新たな重大事案を公表するやり方にファンが納得するはずはないだろう。
スポーツファンの菅野宏三氏(ビジネス評論家)が言う。
「NPBも問題です。高木は野球賭博に関与していたことを笠原や野球賭博常習者の『B』と口裏合わせまでして、隠そうとしていた。『B』から何度も電話がかかってきて怖くなったから話したわけですからね。しかも、違法な裏スロットまでやっていた。サラリーマンなら懲戒解雇か、自主退職を促される。1年間の失格という甘い処分にしたのは、全容解明のための調査に限界を感じているNPBが他の選手に、『軽微であれば1年の処分で済む。まだ隠している人は名乗り出てください』とのアナウンスをしている意図もあると聞く。でも、高木の処分と、それを利用して隠している選手に情報提供をしてもらうことは別問題。処分を自分たちの調査能力の限界をカバーする材料にするのはおかしい。高木も笠原ら3人と同じように厳しく罰することが今後の防止策になる。野球賭博というのはそれほど重い罪ということを認識させる機会をコミッショナーは自ら潰しているのと同じです」