湯水の如く税金投じ 五輪バブルに浮かれる日本スポーツ界
文科省は、30個前後の金メダルを狙う東京五輪・パラリンピックに向けて、メダル獲得が有望なレスリング、水泳、体操、バドミントン、男女卓球など夏季五輪21競技を「重点競技種目」に指定し、その競技には予算を重点的に配分しているのだ。
■東京大会までに1000億円
ある競技団体の幹部が言う。
「国は狙えるメダルの色によって使える金や支援に差をつける。例えば、マルチサポート(注)のターゲット競技に指定されて国のバックアップを受けても、五輪の出場権を逃せば指定を解除される。逆に、ABCと3区分あって、最下位のC指定の競技でも、五輪に出ればBやAに格上げされる。金メダルが期待されるA指定になれば、強化費の額はもちろんですが、支援や研究開発だって最優先される。五輪本番で選手たちの調整拠点になるマルチサポートハウスの利用に関してもです。リオや東京五輪の結果は競技人口に直結する。金はいくらあっても足りません」
要するに国が、各競技団体による税金の分捕り合戦を煽っているようなものなのだ。