技あり内野安打も ハム大谷の身体はすでに“糸井・柳田級”
「天は二物を与えず」など、誰が言ったのか。
5日に22歳の誕生日を迎えた日本ハムの大谷翔平が、今度は「技」でファンを魅了した。
楽天戦の九回、西宮の投じた地面すれすれのスライダーを、体勢を崩しながらもミート。コツンと当てた打球はボテボテのゴロとなって遊撃に転がり、大谷は一塁を駆け抜けた。まるで全盛期のイチローを彷彿させる、技ありの内野安打である。
打撃練習では球場の看板に次々とぶち当て、投げれば日本球界最速の163キロ。だからといって、パワーだけの選手ではない。逆方向にヒットを量産する巧みなバットコントロールに加え、内野安打も今季5本目。50メートル6秒3はプロ野球の水準では俊足でないにせよ、決して遅い部類ではない。
力と技を兼ね備え、投手としても打者としても一流。球界では糸井(オリックス)や柳田(ソフトバンク)が「身体能力の化け物」と言われているが、その言葉はむしろ大谷にこそふさわしいのではないか。
「大谷が恐ろしいのは、まだ成長過程にあるということです。球団は入団当初、投手としての大谷の方を評価しており、『打撃はいずれ、自分から諦めるのではないか』と言われていた。それが今季、早くも10本塁打。球団内には『投手としては予想通りでも、ここまで野手で伸びるとは思ってなかった』という声も出ている。純粋な身体能力では糸井や柳田に及ばないかもしれないが、今後を考えたら彼らをしのぐのも時間の問題でしょう」(球団OB)
この日は中押しとなる適時二塁打も放つなど、5打数2安打2打点の活躍。チームの11連勝に貢献した。
野球センスは当然、193センチの長身、小顔の8頭身、甘いマスクと、隙が見当たらない大谷。嫉妬に身悶える選手も多そうだ。