巨人の闇に迫った記者語る“原氏1億円恐喝事件”取材秘話
■最後は人員を一気に増やし“当てる”
――2012年の原(前)監督の1億円恐喝事件のスクープは?
「普通に考えたら、現役の監督が脅されて1億円もの金を払っちゃったって本当かなと。第2弾で巨人OBの中畑清氏(前DeNA監督)が恐喝の橋渡し役をしたという記事を出しましたが、裏取り作業は大変でした。ちょうど今の編集長に代わったばかりで、大きなネタは時間をかけてやろうという雰囲気になっていました。まず私を含めて3人のチームで1カ月くらい関西に常駐。ホテルを転々としながら、巨人の定宿の関係者、昔の話なので、辞めた従業員とか、いろいろなツテを探して訪ね歩くところから始めました」
――取材はスムーズにいきましたか?
「暴力団関係の話なので当たれる限りやってみようと。一気に全部の証拠が揃うわけではないので、一つ一つ積み重ねていかないといけないところがあって。06年に原氏を恐喝した熱海の旅館経営者Kと暴力団員Hがキーマンでしたが、Hは07年に北海道での自動車事故で亡くなっていました。一人が北海道に飛び、かなり前の事故ですが、小樽から札幌に続く札樽道周辺を聞き込みでたどって目撃者を見つけたり、事故処理に当たった警察にもアプローチしました」