高橋尚子“臨時コーチ”で期待 山下強化コーチとの二人三脚
「それは名案だよ」
20日の日刊スポーツが報じた「Qちゃん女子マラソン臨時コーチへ」の記事を見た、ある陸上関係者がこう言った。
「Qちゃん」とは、シドニー五輪女子マラソン金メダルの高橋尚子(44)。臨時コーチを打診したのは、陸連の五輪女子マラソン強化コーチに就任した山下佐知子氏(52・第一生命女子陸上部監督)だ。
陸連はリオ五輪マラソンの惨敗を受けて、強化体制を一新。女子は武冨豊女子マラソン部長が退き、山下強化コーチに代わった。山下コーチは現役時代、1991年の世界選手権で日本女子マラソン初のメダル(銀)を取り、バルセロナ五輪でも4位入賞。指導者になってからも、2009年世界選手権銀の尾崎好美をロンドン五輪代表、田中智美もリオ五輪代表にした。
しかし、東京五輪へ向けて強化現場のトップになったことを心配する声もある。前出の関係者が言う。
「山下は、自分の教え子の中から本気で世界で戦える選手を育てたいと言っている。勉強熱心で、女子に多い貧血対策にも力を入れ、医学データを重視する。故障者がトレーニングする際の負荷のかけ方もいろいろ考えている。理論派で弁もたち、世界選手権や五輪の代表選考では、陸連にかみついたり注文を出してきた。そんな女性ですから、古い考えの男性指導者には疎んじられる。長距離・マラソンの強化戦略プロジェクトのリーダーになった瀬古(利彦・60=DeNA総監督)ともぶつからなければいいのですが」