小久保監督の手腕については選手が「答え」を知っている
代表選手28人を選ぶ際も、当初は35人程度の候補選手を招集し、宮崎合宿と強化試合を経て、最終的なメンバーを選出するという方法論も意見として出た。実際、過去の侍ジャパンではそうしたやり方をとった例もあったが、小久保監督はそれを良しとしなかった。小久保ジャパンが始動してから3年半でつくり上げたチームの骨格を信頼し、大事にしたかったこともあるだろうが、本番前に落選する選手の気持ちを考えたのだと思う。
実際にプレーをするのは選手だ。その選手が力を存分に発揮できる環境を整え、グラウンドに送り出したらあとは信頼して耐える。それが、監督の一番の仕事だと考える私からすると、「指導者経験がない」と厳しい見方もされたらしい小久保監督には十分にその資質があった。選手に聞いてみれば分かる。大会中、みなが小久保監督の期待に応えようと必死にプレーをした。それが、小久保監督の手腕を疑問視した人への答えだと思う。
(おわり)