中日・京田に“逸材”の片鱗…機動力野球に適応する走攻守
「入った球団が良かったと思うよ」
在京球団のベテランスカウトがこう言った。中日のドラフト2位ルーキー・京田陽太(22=日大)のことだ。
12日のヤクルト戦。東都時代の主戦場で、二回にプロ初の適時打を放てば、延長十回には内野安打で一塁へヘッドスライディング。決勝のホームを踏み、「ここ最近、追い込まれてやられていた。先手先手で行った。神宮はやりやすかった」と話した。
ここまで開幕戦を含む8試合にスタメン出場。打率こそ.216だが、守備、走塁で存在感を発揮している。前出のスカウトが言う。
「今季の中日は機動力野球をやりたい。しかも若手野手の育成が課題だから、守備、走塁のいい京田は使われやすい環境にある。対戦相手のヤクルトも2位指名を検討していたといわれ、巨人、阪神も獲得候補に挙げていた選手です。ヤクルトはまだしも、巨人、阪神のどちらに行ってもレギュラーどころか、今も二軍で経験を積んでいる可能性は十分にある」
巨人は外れ外れ1位で同じ遊撃手の吉川(22=中京学院大)を指名。京田は吉川より打撃が劣るというのがドラフト時の評価だったが、
「課題といわれた打撃も『走り打ち』というか、当てにいく点が目立ったが、これが改善されれば向こう10年はショートのレギュラーを張れる逸材との判断で指名に至った」
とは中日OB。早くもその片鱗を見せつけた格好だ。