プロ入りか大学進学か…早実・清宮めぐる“綱引き”の行方
前出のスカウトがこう言った。
「ただ、克幸さんのガードがあまりにも堅い。我々スカウトは、なんとかして本音を聞き出そうとしているのですが、なかなか難しい。清宮の周囲の話を総合すると、父親の希望はどうやら即、プロ入り。今年ならドラフト1位指名は確実ということも、野球選手として生きていくうえで進学が遠回りになることも承知しているようです。けれども、早大側が納得しないらしい。小学校から早実だし、当然、早大に進むものだと思っているといいます。早大ラグビー部の主将や監督を務めた克幸さんが、早大に借りがあるとみている人もいるほど。本当はプロに行かせたいのに、すんなりやれない事情があるのだとすれば、ガードが堅いのも納得ですが……」
早大とプロの綱引きは一進一退、どちらに転んでもおかしくない状況はしかし、清宮にとって高校生活最後の夏の結果次第で変化が生じるのではないか。
在京球団のあるスカウトの見方はこうだ。
「最後の夏に甲子園に出場、甲子園でも本塁打を打ちまくって早実が上位に進出するようなことになれば、これまでのフィーバーぶりに輪をかけた大騒ぎになる。過去の例をみても、プロでスターになった大物は、必ずと言っていいくらい甲子園で活躍しています。松井秀喜しかり、松坂しかり、です。最後の夏に甲子園で大暴れする条件をクリアすれば、世間の空気もプロ入りを後押しする。そうなれば早大側も諦めざるを得ない。が、清宮がふるわず、早実が西東京大会予選で早々と姿を消すようであれば事情も変わってくる」
27日対戦する日大三は、早実が夏の西東京大会を制するうえで最大のライバル。夏に向けた前哨戦であると同時に、清宮にとっては自身の進路に大きく影響する試合になりそうだ。