マリナーズで再出発も イチロー待ち受ける古巣の意趣返し
それでも話をすればいい方。選手とメディアは互いに高め合うべきというのが持論で、ピントのズレた質問は平気でスルーすることもあった。
既に44歳。メジャー18年目で、現役最年長野手でもある。あれからヤンキース、マーリンズと渡り歩いて、丸くなったという声もある。さすがに選手としてのピークは過ぎ、「ヨコヅナ」のままでいるわけにはいかないだろうが、地元メディアにはイチローと契約するよりチーム内の若手を使うべきという声もあるから、メディアとの関係も不安要素だ。
さらに「イチローにとって最大の後ろ盾でもあった任天堂元社長の山内溥さんが13年に亡くなったことも痛手でしょう」と、マスコミ関係者がこう言った。
「そもそもマリナーズがポスティングでイチローを獲得したのは山内さんの意向が大きかった。入札にはいくらつぎ込んでも構わないから何が何でも取って欲しいと指示を出したといいます。02年に社長退任後もポケットマネーで共同オーナーに名を連ね、球団に対してそれなりの影響力がありましたからね」
マリナーズが今回、イチローを獲得したのは外野手に故障者が続出したからだ。ハニガー(27)がキャンプ中に右手を痛めれば、ギャメル(25)は脇腹の故障で調整が遅れている。控えのヘレディア(27)は右肩手術明けだ。しかもオフにマーリンズからトレードで獲得したゴードン(29)は二塁から中堅にコンバートされたばかり。外野が手薄になり、急きょ、イチローに白羽の矢が立った経緯がある。
「昔の名前」は追い風どころか逆風になりそうな気配があるだけに、期待に応えられなければ、故障者の復帰にメドが立った時点でクビまである。