日大悪質タックルに見えた 大学スポーツ“勝利主義”の弊害
「もはや大学スポーツは終焉を迎えていると言ってもいいでしょう」――。
こう言って憤りを見せるのはスポーツライターの谷口源太郎氏だ。
社会問題にまで発展している日大アメリカンフットボール部員による悪質なタックルは、6日の関学大との定期戦で起こった。
この選手は「最初のプレーで相手のQBにけがをさせる」という日大・内田正人監督(62)の指示により危険なタックルを仕掛けたとされている。
内田監督は試合後にラフプレーを容認する発言をしたこともあり、前出の谷口氏は「日大のアメフトはスポーツではない」とバッサリだ。
「日大の選手による悪質なタックルはラフプレーではなく、完全な暴力です。勝つためなら手段を選ばない監督の姿勢がうかがえます。日大のアメフト部に限らず、スポーツを通じた人間形成など本来の目的を見失っている大学体育会の指導者は少なくない。これは多くの大学体育会に勝利至上主義が蔓延している証拠です。近年の少子化の影響で、私立大学の経営は厳しさを増している。マスコミの露出が増えれば大学のブランド力はアップする。受験者や学生を集めるため、スポーツ強化に取り組んでいる弊害です」