春4強の三重以外にも…夏予選で強豪校の初戦敗退が続く謎
「15日に専大松戸が千葉商大付に4―6で敗れた試合がいい例です」とは、この試合を視察したパ球団のスカウト。
「エースを温存して臨みましたが、二回までに4点を奪われ、“プロ注”の今里が5打席で3四球と勝負をしてもらえなかった。劣勢の展開がチーム全体の焦りにつながったのか、強引な盗塁でチャンスを潰す場面も見られた。流れを引き戻しきれないまま終わった印象です」
初戦の入り方の難しさはあるにせよ、この専大松戸に限らず、格下相手に先手を取られ、焦りもあってか主導権を握れずそのまま敗れるケースが少なくない。
■「ガツガツしたものが薄れている」
「最近の高校生の気質が変化していることも影響しているのではないか」とは、高校野球に詳しいスポーツライターの安倍昌彦氏だ。
「強豪校は4―0でリードしているくらいの意識で試合に入る。先制されても1点ずつ得点を返していけば、優位に立てるはずなのに、劣勢のまま試合が進むとそれがプレッシャーになる。想定外のことが起きた場合に精神面にもろさが出るのです。最近の球児には、何が何でも勝つんだという欲や執念、もっと言うと高校野球を足がかりにしてメシを食っていくんだ、というガツガツしたものがどんどん薄れていっている気がします」