サッカー日本代表 森保全権監督の前途多難とベンゲルの影
次期日本代表監督に東京五輪世代のU―21(21歳以下)代表の森保一監督(49)の就任が、26日に正式発表された。
日本サッカー協会(JFA)の田嶋会長、技術委員会の関塚委員長に挟まれ、ひな壇に座った森保次期代表監督は、A代表と東京五輪の監督を兼任することについて「光栄なこと。(打診を受けて)即決しました」と話したが、現実問題として兼任には多くの困難がつきまとう。もちろん森保次期監督も十分に承知しており、記者会見の途中に「2つの代表(を担当するの)は困難……。1人でやるのは不可能です」と表情を曇らせた。
まず「日程問題」が重くのしかかってくる。
森保ジャパンの初陣は8月18日に開幕する「アジア大会」(インドネシア)。サッカーは開幕に先立って14日から始まる見込み。日本が決勝まで勝ち進んだ場合、帰国日は9月3日となる可能性が高い。4日後の7日には札幌で、11日には大阪でキリンチャレンジ杯が予定されている。
「森保次期監督はアジア大会を、U―21代表選手をメインに若手中心のメンバーで戦うことにしている。この年代の選手は17年10月、東京五輪監督に就任して以来、実際に合宿や試合をこなしているのでチームづくりに問題はないものの、キリンチャレンジ杯はA代表が参加するので海外組、国内組から誰を招集し、どんなチームをつくるのか、それなりの時間が必要となってくる。アジア大会に忙殺されてA代表に手が回らない可能性が高い。ちなみにキリンチャレンジ杯は10月12、16日、11月16、20日にも開催されることになっている。U―21代表の強化日程とバッティングすることも予想されている。いくら森保次期監督が寝食を忘れて働いても、現実的にはどっちつかずになって混乱するのが目に見えている」(マスコミ関係者)