灼熱甲子園 “大人の都合”で球児を危険にさらしていいのか
グラウンドが焼けそうな炎天下でも、球児の酷使は止められないのか。
気象庁が「災害と認識している」と発表したほどの猛暑に襲われた今夏の日本列島。23日には埼玉県熊谷市で観測史上最高の41.1度を記録し、熱中症の死者は90人以上。暑さのピークは収まったとはいえ、今後も西日本を中心に8月上旬まで酷暑は続く見込みだという。そんな異常気象にもかかわらず、過去と全く同じスケジュールで行われているのが高校野球だ。
8月5日に開幕する夏の甲子園は100回記念大会という事情もあり、史上最多の56校が出場。スポーツマスコミなどは「過去最大の盛り上がり」と、礼賛一色だ。
しかし、全国の地方大会では体調不良を訴える選手が続出。岐阜大会では観客が熱中症で病院に搬送されるなど、猛暑の被害は各所に及んでいる。あるプロのスカウトは「夏の甲子園なんて、もうやめればいいんですよ」と、こう吐き捨てる。
「カンカン照りの日中なら、だいたい六回くらいから守備がおかしくなる。おそらく、暑さで朦朧としているのでしょう。甲子園常連校ですら、普段なら絶対しないようなポカや、あり得ないポジショニングをしてしまう。今年の夏は各地で番狂わせが多いのも、この猛暑と無関係ではない。監督やコーチもおかしい。どれだけ暑くても、試合前からグラウンドで延々とアップをやらせている。子供を守るべき大人たちが、いったい何をやっているのか」