入団は“コネ”だった…広島・新井貴浩の壮絶プロ人生20年
入団当時の監督だったソフトバンクの達川光男ヘッドコーチはこの日、「どうしてプロ野球に来たんかなという感じ。絶対に3年以内でクビになると思った」と述懐したが、それも当然だろう。
新人だった99年の日南キャンプ。守備はおろか、打撃練習でもなかなかバットの芯に当たらない。駒沢氏は、「大下ヘッドには無理やり入団させたという思いもあってか、泥だらけになるまでノックをしていたし、新井もそれに食らいついた。手の豆が何度もつぶれるくらい、誰よりもバットを振っていた」と言う。
■ケガをして反省の丸坊主に
「最近も球場で挨拶した時に『元気です』と言っていましたし、引退と聞いたときは驚きました」とは、元同僚でテレビ解説者の山内泰幸氏(45)。
「新井が新人だった年のキャンプで、2人とも丸坊主にしたんです」と、当時を振り返る。
「キャンプ前半にふくらはぎを肉離れしてしまい、早朝にリハビリ組がいる広島・大野練習場に強制送還された。新井も同時期にリタイアし、広島で一緒にリハビリに取り組んだ。ケガが癒え、いざ日南に再合流というタイミングで、反省の意味を込めて、確か、寮にあったバリカンで一緒に頭を丸めました(笑い)」