半端なCS進出より喜ばしい 阪神エースと4番の若虎成長物語
しかし、やはりドラフト1位入団の藤浪と大山の活躍は他の若虎とは一味ちがう。球団が投打における未来の主軸候補だと太鼓判を押し、大金をかけて獲得した金の卵なわけだから順調に育ってくれないと困る。エース・藤浪と4番・大山が堂々と並び立つ虎の未来図には、ドラフト下位からのシンデレラストーリーにはない、王道ドラマ特有の安心感がある。
だから本当にもう、今の私にとってはペナントレースの順位なんてどうだっていいのだ。関西のスポーツマスコミはまだ可能性の残る阪神のCS進出について一喜一憂するような報道を続けているが、私は虎党失格のそしりを受けようが、心の底からCS進出はどうでもいいと思っている。
そんなワンナイトラブのような束の間の快楽に興奮するよりも、金本知憲監督が3年前の就任当時に掲げた若虎成長物語を味わいたい。我ながら単純だな、と思う。どれだけ阪神が借金を重ねようが、藤浪と大山に光を感じられるなら、中途半端なAクラスよりも満足できてしまうのだ。