「稽古場にも来ないくせに」退職の引き金引いた弟子の離反
それが同部屋の集まりだったのか、他の部屋の気心の知れた力士たちとの飲み会だったのかは定かじゃない。ただ、ある親方に言わせると「力士同士の集まりの席上、飛び出した発言だった」そうだ。
双子の兄弟である貴公俊、貴源治(ともに21)の2人が、当時の師匠である貴乃花親方に関してこう言ったという。
「稽古場にも来ないくせに、エラそうなことを言って……」
相撲の親方は通常、部屋で弟子たちと寝食を共にする。それこそ朝稽古に始まって夜寝るまで弟子の面倒をみる。弟子の日常まで把握しなければ本当の意味での教育はできないし、弟子の行動については責任を負う立場だからだ。
けれども貴乃花親方は当時、通いだった。品川の自宅から江東区の貴乃花部屋に通っていた。昨年暮れの12月29日、貴景勝(22)、貴公俊、貴源治らが銀座の繁華街をジャージー姿で闊歩、服装規定違反の失態をしでかしたときは「親方の目が行き届いてない証拠。通い親方の弊害さ」との声が他の親方衆から上がった。弟子が「稽古場にも来ない」と言うのももっともだが、問題は服装規定違反をして銀座でハメを外した日時。当日はあろうことか、師匠の貴乃花親方が理事解任提案された翌日だった。