体操男子個人総合7位 白井“ひねり王子”復権に15センチの壁
体操世界選手権の男子個人総合で7位に終わった白井健三(22)。
2020年東京五輪では、これまで絶対王者として君臨した内村航平(29)に代わる日本のエースとして期待されながら表彰台にすら立てなかった。
白井は「自分がやれることをやり切っての順位」と振り返ったが、不完全燃焼なのは明らか。自身の名が付いた最高H難度の大技「シライ3」(後方伸身2回宙返り3回ひねり)を封印せざるを得なかったからだ。
今大会、国際体操連盟(FIG)は男女とも中国製の器具を採用。日本や欧州の器具に比べて、全体的に硬いため、各国の選手から不評だった。
白井が得意とする床も普段、使用している国内製のものと比べ、弾力性がない。武器とする高難度の技を繰り出す際、弾みをつけるために踏ん張っても跳ね返りが少ないため、高く跳べない。難度の高い技を持つ選手ほど、不利になると予想されていた。
もちろん、男女とも大会前の代表合宿では早くから本番を想定して中国製の器具を使用して練習を重ねてきた。白井も入念に準備してきたが、現地入りしてからの練習で「シライ3」の回避を決めたのだ。