駅伝大国ニッポンを蝕む“鉄剤”依存…使用は昭和の時代から

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■“魔のトライアングル”が依存につながる

 先述したように、陸連は2年前、「体に悪影響がある」ことを理由に鉄剤注射を使わないよう警告していたが、「血液検査がないならバレない」と、その後も使っている指導者のアタマの中身は、名誉やカネのために禁止薬物に手を出す海外のトップアスリートと同じということになる。

「これは駅伝大国の構造的な問題です」というのは、スポーツライターの津田俊樹氏だ。

「箱根駅伝や全国実業団駅伝は、予選会も民放テレビで中継されている。高校駅伝はNHK。空前の駅伝ブームです。高校や大学、企業名が長時間テレビに映し出されて宣伝効果は抜群。学生のタイムや成績は進路に影響する。成績が良ければ指導者の株も上がる。それをマスコミが大きくとりあげる。そういう意味ではマスコミの責任もある。この『魔のトライアングル』が、指導者の鉄分依存につながっている。指導者の罪なところは、体に悪いと知りながら、無知な中・高生に鉄分注射を打たせていることです。選手生命だけでなく、命さえも縮めかねない危険な行為ですが、駅伝大国のこの国では鉄剤使用の撲滅は難しいと言わざるを得ません」

 薬物に無縁でクリーンな国が聞いて呆れる……。

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