迷走するJGTO “モテる男子プロ”育成に4500万円のムダ遣い
確かに昨今の「カープ女子」は広島カープ人気を押し上げる原動力になっている。だが、その女子人気も単なるミーハーではなく、リーグ優勝9回を誇り、大活躍して大リーグに移籍した黒田博樹や前田健太投手らの強さが根底にある。それにカープもセレッソもフランチャイズで、地元密着という地域性があり、女子ファンの多くは地元出身者だ。フランチャイズ制のないプロゴルフとはまったく意味合いが違う。
かつて男子プロが人気だったときには、尾崎将司、青木功、中嶋常幸ら強豪選手がしのぎを削っていた。
米ツアー人気もA・パーマーやJ・ニクラス、T・ウッズら歴史に名を残すスーパースターの存在があったからだ。絶対王者がいて、プロスポーツはファンが増える。JGTOは目標として「3年目に各イベントの女性ゴルファーの興味関心度を2倍以上にする」と張り切っている。
米ツアーは大会主催地と密着し、地元の医療、福祉その他チャリティー活動に積極的だ。17年だけで約1億8000万ドル(約196億円)、これまでの総額約27億ドル(約3000億円)を寄付し、それがファンの高い支持を得ている。また選手に対しては「強くなる前に、人間らしくあれ」がモットーだ。ホストクラブじゃあるまいし、「女にモテるプロ」の育成などとピント外れの計画に、資金提供の米PGAツアーも呆れているに違いない。