マラソン大迫傑が牙をむいた日本陸連の「本音」と「忖度」
投稿の理由を「理解し難い却下理由と規定・選考の不透明さを以前から感じていた為」と語ったように、この一件は「引き金」に過ぎない。
■過去には川内も
大迫はかねて閉鎖的な陸連に疑問を抱いていた。低迷する日本の長距離界について、シカゴマラソンで日本記録樹立後の昨秋、本紙のインタビューでこう話していた。
「(所属する『ナイキ・オレゴン・プロジェクト』での)練習内容は日本とそこまで変わらないですが、(周囲から)足を引っ張られないですし、常に上を目指して挑戦し続けられる環境がある。必要以上に群れない。僕は日本(の陸上界を変える)というより、自分自身が変わることイコール日本の陸上界やマラソン界が変わっていくと感じている」
大迫は2015年にプロ転向。公務員ランナーとして孤軍奮闘した川内優輝(32=今年プロ転向)に続き、実業団主導の日本陸上界に一石を投じた。
その川内も陸連からの“被害”を訴えていた。リオ五輪マラソン代表をナショナルチームメンバーから優先的に選ぶという原則を陸連が突如撤廃。実業団には事前に伝えられていた一方、川内は報道で知り、「何回も裏切られた」とぶちまけた。