マラソン大迫傑が牙をむいた日本陸連の「本音」と「忖度」

公開日: 更新日:

■実業団主導の世界

 今回の一件について、スポーツライターの武田薫氏はこう説明する。

「日本は五輪至上主義。陸連の頭の中はMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)の成功、そして東京五輪でいっぱいです。『マラソンの看板選手である大迫には東京五輪代表を決める9月のMGCを盛り上げてほしい』、これが陸連の本音でしょう。リオ五輪の1万メートルと5000メートルで代表になった大迫が5月の日本選手権の1万メートルでも好記録を出せば有力な代表候補になってくるし、他の選手の出場機会が奪われる可能性もある。陸連は大迫が出た方が日本選手権が盛り上がると分かっていても、実業団との関係も考慮しないといけない。国内の陸上界は歴史が古く、大迫や川内の発言で変わるかといったら難しいですが、選手は陸連の言いなりではダメです。自分の考えを貫かなければ、この先、何も変わりません」

 陸連は、大迫の訴える選考理由の明瞭化に「どういうケースが出てくるか想定できない」と否定的だ。「曖昧さ」を残す組織と大迫の対立はまだまだ続きそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 2

    大山悠輔逃し赤っ恥の巨人にOB評論家《良かった》 FA争奪戦まず1敗も…フラれたからこその大幸運

  3. 3

    パワハラ騒動で楽天退団 安楽智大の去就どうなる? 兄貴分・田中将大の自由契約で話題沸騰中

  4. 4

    過去最低視聴率は免れそうだが…NHK大河「光る君へ」はどこが失敗だったのか?

  5. 5

    田中将大獲得に及び腰なのは《復活うんぬん以前の問題》…“外野”がフォローするほど現場との温度差浮き彫り

  1. 6

    大逆風の田中将大まさかの〝浪人〟危機…ヤクルト興味も素行に関する風評が足かせに

  2. 7

    巨人が“大山資金”で怒濤の上積み…FA石川柊太争奪戦で5球団「3年6億円」横一線の均衡破る

  3. 8

    《次の朝ドラの方が楽しみ》朝ドラ「あんぱん」の豪華キャストで「おむすび」ますます苦境に…

  4. 9

    フジテレビ『ザ・ノンフィクション』で注目された50代男性の裏話と結婚できる中高年の境界線 

  5. 10

    石破政権を直撃!岩屋毅外相につきまとう「100万円」疑惑…米国発カジノ汚職で再燃