極秘リハから米側の注文まで トランプ相撲観戦の全舞台裏
主に運営と警備に分かれて5~6回は準備のための会議を開き、協会内の部長や副部長の親方も参加。特に警備には力を入れたようで、前日は深夜まで打ち合わせを行ったそうだ。
中でも深刻だったのは座布団問題。この日の入場者には、「場内で座布団等の物を投げるなどの行為を行った場合は退場の上、処罰されることがありますので、絶対にしないでください。《刑法第208条暴行罪》二年以下の懲役もしくは三十万円以下の罰金または拘留もしくは科料」と、記された注意書きが配布された。
「当初は座布団を固定したらどうかという案もあったが、結びの一番で横綱が負けた場合の座布団投げは、いわば風物詩のようなもの。仮にトランプの周辺に座布団が飛んだ場合はシークレットサービスがたたき落とす段取りだった。本当に警戒したのは座布団以外のもの、例えば卵やペットボトルが飛ぶこと。それもあってお茶屋は急須や湯飲みを使わず、自販機もたばこ以外は『休場』にして、物は一切投げるなとクギを刺す文書を配布したようだ」とは、ある親方だ。
■「あの段差はきつい」