原監督は激怒 プロ最短KOを喫した巨人・菅野の孤独な闘い
OBで元巨人投手コーチの高橋善正氏(評論家)がこう言う。
「勝った前回の登板にしても、直球の精度が本来のものではありませんでした。日本ハム打線に初回だけで5安打を集中され、3失点とつかまった。この日も先頭打者本塁打された球は、外寄りの甘い直球で捕手の構えとは逆球。得意のスライダーやカットボールも明らかなボール球ばかりだった。精度もさることながら、まだ腰に違和感が残っているのか、下半身が使えていないから棒球が多い。今年の菅野の球はキレがないため、相手打者が芯で捉えやすく、簡単にスタンドまで運ばれる。前回は逆転してもらった中盤から、悪いなりに修正していたが、あれで投手コーチが『完全復活』と言うのは理解できない。好調時とのギャップに苦しむ菅野本人との間に温度差が生じている。この日の投球を見て、何も解決していないと感じました」
首脳陣は菅野に全てを任せている。抹消当初は最短10日間での復帰を目指したが、結局、一軍昇格まで19日間を要した。復帰時期も本人が決めたという。
「腰の違和感はまだ残っているようです。それでもエースという立場上、いつまでも休んではいられない、多少違和感が残っていても、付き合いながら投げるしかない、と菅野自身がゴーサインを出した。今でも入念にマッサージをするなど痛みを和らげながら登板している。基本的に投手コーチは、菅野が決めたことを尊重するだけですから」(チーム関係者)