交流戦にはプロ野球界の「停滞を打破する」意義がある
■人気のセ、実力のパ
要するに、現状のセとパの図式には冒頭の「パ強セ弱」だけでなく「人気のセ、実力のパ」という昔ながらの使い古された言葉もそのまま当てはまるわけで、これはもう今に始まったことではない。昭和のころから変わっていないだけだ。
そう考えると、交流戦はその役割を終えた、などとする一部の論調には疑問が生まれる。大昔から続く「人気のセ、実力のパ」という図式が今も変わっておらず、いわばマンネリしているのだから、そろそろなんらかの変革を期待したいと思う道理はあるだろう。セがパに実力で負け続け、パがセに人気で負け続けているからこそ、交流戦には「停滞を打破する」という意義があるわけだ。
ならば、今後はどっちが強いとかではなく、パのほうが強者であることを当然の前提として、弱者(セ)の戦いを見てみたい。巨人と阪神という良くも悪くもモンスター的な老舗球団がある以上、セが一枚岩になるのは難しいのかもしれないが、弱いセが一体となって大きな改革を断行して強いパに立ち向かう。そんなドラマを期待したい。