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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

交流戦にはプロ野球界の「停滞を打破する」意義がある

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■人気のセ、実力のパ

 要するに、現状のセとパの図式には冒頭の「パ強セ弱」だけでなく「人気のセ、実力のパ」という昔ながらの使い古された言葉もそのまま当てはまるわけで、これはもう今に始まったことではない。昭和のころから変わっていないだけだ。

 そう考えると、交流戦はその役割を終えた、などとする一部の論調には疑問が生まれる。大昔から続く「人気のセ、実力のパ」という図式が今も変わっておらず、いわばマンネリしているのだから、そろそろなんらかの変革を期待したいと思う道理はあるだろう。セがパに実力で負け続け、パがセに人気で負け続けているからこそ、交流戦には「停滞を打破する」という意義があるわけだ。

 ならば、今後はどっちが強いとかではなく、パのほうが強者であることを当然の前提として、弱者(セ)の戦いを見てみたい。巨人阪神という良くも悪くもモンスター的な老舗球団がある以上、セが一枚岩になるのは難しいのかもしれないが、弱いセが一体となって大きな改革を断行して強いパに立ち向かう。そんなドラマを期待したい。

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