東京五輪崩壊 マラソン・競歩以外に変更すべき競技はある

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 ホッケーのテスト大会(17~21日=大井ホッケー場)も最高気温が40度近くまで上がった。

「新しいホッケー場は風通しがよく、海風も入る。スタンドは東向きなので観客は日陰で観戦できる。テスト大会は無観客でしたが、関係者で2600人収容のスタンドはほぼ満員。熱中症の人は一人も出ませんでした。ホッケーの本拠地(ナショナルトレーニングセンター)は岐阜にある。東京より暑さは厳しいので慣れている。試合後半も大丈夫でした」(日本ホッケー協会広報部)

 ただし、あるホッケー関係者はこう言う。

「20日のインド戦は開始時間(午前11時45分)前には気温は37度まで上がり湿度もかなり高かった。選手のベンチにはミスト噴霧器も置かれていたものの、五輪本番は緊張の度合いが違う。カンカン照りのピッチで60分のプレー(各15分の4クオーター制)は厳しいですよ」

 海の森水上競技場でテスト大会を兼ねたボートの世界ジュニア選手権(7~11日)には、世界各国から多くの観衆がやってきた。会場では瞬間冷却剤などが配布されたが、屋根が半分しかないスタンドにいる観客は、刺すような日差しに文句タラタラだった。日本ボート協会吉田健二広報委員長が言う。

「風があれば50人ぐらいが入れる遮熱テントの下にいれば体感温度は問題ないでしょう。高い効果が証明された。テスト大会のときは、そのテントは3張りでしたから、かなりの数のテントを海沿いに張って欲しいと組織委員会にお願いしました。スタンドの屋根が半分なのは小池知事が節約したからです。屋根をスタンドの全面につけることと、アイスバスの設置を要望しています」

 果たして組織委員会は、全ての要望を聞き入れてくれるだろうか。

■地獄のフェアウエー

 ゴルフも心配だ。埼玉県といえば熊谷が日本一暑いことで知られている。昨年の7月23日には最高気温が41・1度を記録。観測史上、国内最高気温を塗り替えた。会場の霞ケ関カンツリー倶楽部は、熊谷から車で40~50分ほど南下した川越にある。某メンバーが言う。

「7月後半から8月中旬の暑さは地獄です。コース内の気温は40度前後まで上がる。この2、3年は異常です。汗は滝のように流れてくるから、パッティングの時が困る。冷水を大量に飲んでも汗になるのでオシッコが出ない。思考能力も低下するし、プレーが雑になる。自分のコースのことですから悪く言いたくはない。でも、一年で最も暑い時季に、なぜ日本で最も暑いといわれる地域でオリンピックをやるのか。コースコンディションも最高の状態でお迎えできるかわかりません。酷暑の中で、プレー時間は4時間以上。選手もそうですが、帯同するキャディーが先にやられますよ」

 テニス会場の有明テニスの森公園も、屋根があるのはセンターコートだけ。それ以外のコートは炎天下で2~3時間は走りっぱなしだ。競技時間の長短はあれど、ビーチバレー、7人制ラグビー野球、自転車も屋外競技だ。「アスリートファースト」を理由にマラソン・競歩の札幌移転を決めたIOCは、これらの競技を問題視している。コーツ委員長に会議で指摘される前に、組織委員会は競技時間や会場を再考した方がいい。もう、「東京五輪」ではないのだから。

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