他社もフェースガード導入開始 「子供目線」でケガを考える
【用具のプロが鳴らす野球界への警鐘】(下)
ヘルメットに外付けされたフェースガードは、つける選手が増えた一方、ソフトバンクの松田やDeNAの宮崎は着用していない。球団からの“制限”がなければ、選手本人による選択の自由。それでも、道具に差が生まれることで「不公平」を指摘する声もある。フェースガード「C―FLAP」(米マークワート社製)の輸入代理店を務めるカシマヤ製作所の西上茂社長はこう話す。
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フェースガードが「バッター有利な商品じゃないか」という見方をされているのも疑問です。確かに、つけることで死球への恐怖心が減って踏み込める。視野が狭くなることで、選手によっては集中できるという人もいます。
その一方で、邪魔だという人もいて、つけたから全員の打率が上がるというわけじゃない。例えば、DeNAのソト選手はつけるとバットが振りにくいからと言ってつけていませんが、結果を出しています(2年連続本塁打王)。
C―FLAP以外のフェースガードを使っている選手もいます。日本ハムの中田翔選手はミズノ社製のものをつけています(昨季まで日本ハムでのフェースガード使用者はゼロ)。オリックスの吉田正尚選手はヘルメットと一体型のローリングス社製のものを着用。C―FLAPだけでなく他社メーカーもフェースガードを作って導入を始めている。少しずつ変わり始めているなと感じています。