ソフトバンク1位・佐藤直樹 ドラフト当日に上がった悲鳴
■父は港内作業員
佐藤は神戸港で作業員として働く義八さんと、スナック経営の母・亜美さん(57)のもと、3人きょうだいの末っ子として生まれた。上には兄と姉がいる。
「私が年いってからの子供だったんで、可愛くて可愛くて甘やかしたからですかね。悪ガキでしたよ(笑い)。小さい頃から負けん気は強かったんですが、すぐにキレる子だった。野球をやるようになって変わりました」(義八さん)
佐藤はもともと空手を習っていたが、母の店の客だった少年野球チーム・灘西レイダースの久保信之監督に「一度、見においで」と誘われたのが野球を始めたきっかけだ。
久保監督が言う。
「当時の直樹くんは俊足強肩の捕手。盗塁は全部ノーサインで走らせていたし、彼がマスクをかぶると相手の監督も警戒して、走らせてこなかった。座った状態で二塁に送球していたくらいです。まあ、気が強くてね。勝って喜び、負けて本気で悔し涙を流す。そんな子でした」