西武1位・宮川哲 ボーイズの仲間が舌を巻いた父の剛速球
■素質は兄と弟
宮川3兄弟を知る多くの関係者は「素質で言えば、長男と三男が抜けていた」と口を揃える。 兄・祐輝さんは智弁和歌山で2010年春、11年春夏に、弟・寛志さんは奈良大付で昨夏の甲子園に出場。しかし、東海大山形に進学した次男の宮川は甲子園に出場できず、上武大時代はプロ志望届を出すも指名漏れ……。それがいまや、ドラフト1位というのだから、人の将来なんて分からないものである。
宮川が野球を始めた生駒クラブライオンズの棚田整代表が言う。
「宮川くんは投手でしたが、同級生にさらに肩の強い子がいたので、あまり目立たなかったですね。ボーイズに行くと聞いて正直、『大丈夫かな?』と思ったくらいです」
生駒ボーイズの喜多吉嗣副代表が話を引き取る。
「おとなしくて、いつもニコニコしていました。主に外野手で地肩は強かったんですが、レギュラーではなかった。試合に出る機会も少なかったですね。打席での印象もあまりないし……宮川くんには悪いですが、当時は地味でした」