菊池涼介メジャー封印の裏に東京五輪への捨てきれない思い
「本当に悩みました」
ポスティングシステムで米大リーグ移籍を目指していた広島の菊池涼介(29)が27日、マツダスタジアムで会見を開き、来季もチームに残留することを表明した。
年俸3億円プラス出来高払いの4年契約でサインし、「スッキリした形。FA市場の動きが遅く、この状況が続くのであれば、僕の思いをくんで快く出してくれたカープ球団に早く残ると伝えた方がいいという決断に至った」と説明した。
決断の裏には「どこかで赤いユニホームでやりたいという気持ちもあった」という広島への愛着はもちろん、本人はこの日、「関係ない」と否定したものの、来夏に控える東京五輪への強い思いがあったのは間違いない。
仮にメジャー移籍が実現した場合、東京五輪と大リーグの日程が重なるため、五輪出場は難しくなる。それを百も承知でメジャー球団とは「五輪出場容認」の契約を探っていた。
「二兎を追う者は一兎も得ない」と周囲に指摘されても、その思いは消えなかった。11月のプレミア12の際も「絶対、世界一になりたい。来年の五輪につなげるためにも、足をすくわれちゃいけない。この大会に懸けているんで」と熱く語っていた。