無観客から一転…マスターズはなぜ中止ではなく延期に?

公開日: 更新日:

 本戦4日間は1日115ドルになり、延べ16万人が購入して1840万ドル(約19億3200万円)。さらにコース内での飲食(50ドル)や、グッズ(250ドル)購入で大会期間中に6000万ドル(約63億円)が使われている。そして特別なパトロンのためにバークマンズプレースという観戦場所があり、1200万ドル(約12億6000万円)前後の売り上げがあるといわれている。

 つまり入場した人たちがマスターズに落とすカネはざっと1億165万ドル(約106億7325万円)にもなる。賞金など大会運営に5割を充てたとしても軽く50億円を超える利益があるわけだ。

 それが中止になることで、一銭も入らない。

 一方、マスターズはテレビ放映権料でも収入が大きい。

 スポンサー3社(IBM、AT&T、メルセデス・ベンツ)から4分間のCM代(1社800万ドル)として2400万ドル(約25億円)を得て、CBSから放送枠を買っている。さらに米国外での放映権料も2400万ドルになる。

 大会が中止になればチケットの払い戻しや、テレビ放映権料も入らない。

 年間数十試合をパッケージとして放映権を売っている米PGAツアーとは異なり、年に1回だけ開催されるマスターズの弱点ともいえる。簡単に中止を発表できないのも、最大の収入源を失いたくないという事情があるようだ。

ゴルフライター・吉川英三郎)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…