コロナでプロ野球開幕メド立たず…来季は“育成”激増の様相
何もできないまま、時間だけは過ぎていく。
新型コロナウイルスの感染拡大で開幕のメドが立たないプロ野球。それでもやってくるのが秋のドラフトだ。
ドラフトはいまだ開催方法が決定していないものの、やらないわけにはいかない。社会人ならまだしも、学生は卒業後の進路にも影響するからだ。
新人が入ってくれば、トコロテン方式でクビになる選手がいるのも球界の常。このまま開幕できなければ、何もしないまま、戦力外通告をされかねない。
識者の中には「70人の支配下枠を一時的に拡大してはどうか」と訴えている者もいる。しかし、その声は12球団の経営者に届くかどうか。
支配下枠を拡大すれば、その分、カネがかかる。ただでさえ、今季は開幕の延期に次ぐ延期で収入は大幅減。既存選手の年俸すら、額面通りに支払われるかどうかといった状況だ。
「支配下枠が70人に決定したのは1991年。その後も拡大すべきという意見は定期的に出ていた。2010年には巨人が提案し、ソフトバンクが賛成したものの、採用には至らなかった。支配下枠の拡大はカネがかかるので、金満球団がさらに有利になりかねないという懸念もある。一時的な拡大とはいえ、ではそれをいつまで継続させるのか。新型コロナが終息したら大量にクビにして、再び70人に戻すのか。そう考えると容易に導入しにくい。おそらく、今オフは複数球団で、本来クビになる選手が育成契約になるのではないか。それが救いになるかはわかりませんが……」(球界関係者)
世の中、ままならないものである。