陸上・新宅雅也氏「出場していたらメダル取れていたかも」
「もし、モスクワ五輪に出場していたらどうでしたか?」
今年の東京五輪が1年延期になり、最近よく聞かれます。メダルに手が届いたかもしれません。なぜって、五輪直前の欧州遠征で、世界ナンバーワンのブロニスワフ・マリノフスキー(ポーランド)に勝ちましたから。
この時の1位はモスクワ五輪銀メダルのフィルバート・バイ(タンザニア)。2位が私。モスクワ金のマリノフスキーは3位でした。
4年後のロス五輪では、3000メートル障害と5000メートルと1万メートルに出場チャンスがありましたが、私が1万メートル一本に絞ったのは、当時は3000メートル障害と5000メートルは予選・準決勝があったからです。「日本人に3本のレースは厳しい」という中村監督の考えからでした。
モスクワ五輪3000メートル障害決勝はテレビで見ていました。「自分もここにいたかもしれない」って、なんだか複雑な気持ちでしたね。
ちなみに、「モスクワ五輪に出ていれば勝つ自信があった」と言う瀬古君は、マラソン当日、テレビ中継の解説をしていたので、さぞ悔しかったと思います。メダルには届きませんでしたが、瀬古君もロスとソウルの五輪に出場しました。