公式戦縮小で問われる監督の手腕 今季は何人がクビに?
「今季は例年以上に監督の手腕が問われそうです」
評論家の高橋善正氏がこう言った。最短で6月19日の開幕を目指しているプロ野球。開幕時期が7月までずれ込むと、試合数は100試合程度まで削減される可能性もある。コロナ禍で各球団は全体練習を自粛し、準備不足を訴える選手もいる。難しい戦いを強いられる今季はより一層、監督が果たすべき役割が大きいというのだ。
「長いブランクを経て開幕するとなると、何より故障が懸念される。2月のキャンプからの流れで開幕に臨むのと比べて、3カ月のブランクがあり、さらに開幕までの調整期間が短い。まして、選手たちは本当に開幕ができるのかという不安や、ウイルスをうつしたり、うつされたりする不安を抱えながら調整している。100%、野球にのめり込めない部分もあったと思う。体が芯から出来上がらない状態のまま、開幕を迎えざるを得ないのは間違いない」
そう言って高橋氏は、特に投手のやりくりが難しくなると指摘する。
「先発投手にいきなり無理をさせれば、肩肘への負担は大きい。試合を重ねながらイニング数を増やしていく形にするにしても、今度はリリーフにしわ寄せが来る。試合数が減り、シーズンの期間が実質4カ月という“短期決戦”では、先行逃げ切りが有利。首脳陣としては、極端にいえば昔の野球でエースを抑えでも起用したように、いい投手からどんどん使っていきたいはずです。野手の場合も、練習不足による足の肉離れなどのケガをしやすい状況にある。チームの勝利を目指しつつ、いかに選手の故障を防ぐか、監督の見極めと我慢が必要になります」