巨人の快進撃を支える「神走塁」 地味ながら凄い3人の正体
北村拓己(内野手・24歳・3年目)
原監督は「成長株の一人」と潜在能力を買っている。
「1番・二塁」で出場した6月23日の広島戦で、同点の五回2死1塁から、広島K・ジョンソンの直球を捉え、中越えへ勝ち越し二塁打。7月3日の中日戦では代打で登場し、走者一掃の二塁打を放つなど、勝負強さが際立っている。
星稜高では3年夏の甲子園に出場。亜大3年秋にはリーグ戦で打率.409を残し、三塁手でベストナインを獲得した。小学校から大学まで全てで主将を経験している。
前出の内田氏が続ける。
「最初は逆方向にうまく打つなという印象でした。高校、大学と強豪校でやってきただけに、チームプレーが染みついていた。せっかくいい体格をしているのに、コツコツつなぐような小さなスイングをしていたので、『今までのスイングを取っ払って、関節の可動域を広く、スイングアークを大きくしてみよう』と言いました。特徴はボールを長く見られること。だから選球眼がいいんです」
昨季のイースタン・リーグでは70四球を選び、最高出塁率(4割1分4厘)のタイトルを獲得した。オフには2年連続で主将の坂本と自主トレを行ったことで「打ち方が勇人に似てきた」といわれる。今季の打率は.294。キャンプ前には原監督から正一塁手の候補として名前を挙げられた有望株が、期待通りに台頭してきた。