原&阿部でオフに巨人が大量リストラ 澤村もリスト入り危機
コロナ禍で高まる高校生のプロ志向
今年はこうした巨人の方針を後押しする要素もある。
「コロナ禍により、アマ野球界に異変が起きています」とは、セ球団スカウト。
「アマ選手の間では、例年以上にプロ志向が強まっている印象です。例えば高校生にしても、ドラフト1位候補の高橋(中京大中京)や中森(明石商)といったトップクラスの選手は別として、支配下か育成か、というレベルの高校生が進路問題に直面している。彼らの受け皿となる大学、社会人の指導者から、『今年は多くの選手を獲得できない』と嘆き節が聞かれるように、コロナ禍による不況や、来季の活動が不透明となっていることが影響し、新規の採用人数を減らす社会人チームや大学が少なくない。たとえ育成契約でも、独立リーグでも、プロ入りに活路を見いだそうとしている高校生、大学生が少なくないのです」
実際、高校生の24日現在のプロ志望届の提出人数は前年の139人を超える150人。そのうち118人が、8月下旬と9月上旬にプロのスカウトの前で行われる「合同練習会」に参加する予定だ。前出の巨人OBが言う。
「巨人は他の11球団と同様、コロナ禍によって観客動員が最大5000人に制限され、大幅な収入減は必至です。ただ、巨人の場合は大量解雇によって人件費を浮かせるとともに、2019年からインターネット配信会社の『DAZN』と年10億円以上といわれる巨額の契約を結んでおり、他球団よりも資金面の余力がある。
原監督は『合同練習会』の土台となった高校生トライアウトの開催を提言した上に、6月には全国の巨人OB21人を『OBスカウト』として採用するなど、アマ選手の発掘に力を入れ、シーズン途中にスカウト部門にメスも入れている。今秋のドラフトでは育成選手を含めて、他球団よりも多くの選手を指名する方針だと聞いています。東京・稲城市のファーム新施設の開業は23年3月から24年3月以降に延期されましたが、血の入れ替えによって育成路線に弾みをつけたいのです」
まもなく9月を迎える中、整理選手リストの空欄は、着々と埋められつつある。このオフ、巨人が大ナタを振るう可能性は高いとみていい。