著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

ロッテ鳥谷 名球会打者が晩年に“代走の切り札”になる異例

公開日: 更新日:

 これに代表されるように、今季の鳥谷は走塁や守備などの渋い働きが称えられており、2000安打を達成した偉大な打者ならではの殊勲打が要所で炸裂しているわけではない。同じ2000安打達成者では元ヤクルト宮本慎也の晩年に近い感じかもしれないが、若手のころから一貫して名バイプレーヤーだった宮本とちがって鳥谷はもともとバリバリのクリーンアップを打っていた選手だから、この晩年のモデルチェンジは非常に珍しいかもしれない。

■中軸を担った男の渋い働き

 なにしろ、鳥谷は早稲田大学時代に東京六大学リーグで三冠王に輝き、鳴り物入りで入団した阪神でも2009年には主に3番打者として20本塁打、翌10年には遊撃手として史上最多となる104打点を記録している。もちろん、当時から堅実な守備や巧みな走塁技術にも定評があり、13年のWBCの台湾戦で見せた「二盗」は今も語り草なのだが、その一方でバットを握っても立派な中軸打者のひとりだった。

 このパターンなら晩年は「代打の切り札」になるのがもっとも典型的だが、鳥谷は守備固めと代走の切り札という、なんとなく若手のスーパーサブが担いそうな役割を果たしている。過去を振り返っても、代走の切り札として選手生活の晩年を迎えた2000安打達成者、しかも元クリーンアップはいないのではないか。それは「走力が衰えていない」ということになるのだろうが、よく考えると、これほど驚異的なことはないだろう。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    平野紫耀から杉咲花に「翠ジンソーダ」キャラクターわずか1年でバトンタッチのナゾ…平野ファン大混乱

  2. 2

    小芝風花は大河「べらぼう」とBS時代劇「金と銀2」“NHK掛け持ちW主演”で大丈夫なの?

  3. 3

    自公維の「高校無償化」に慶応女子高の保護者が動揺? なぜだ?

  4. 4

    中村芝翫「同棲愛人と破局宣言」で三田寛子の夫婦関係はどうなる? “梨園の妻”の揺れる心中

  5. 5

    佐々木朗希「通訳なし」で気になる英語力…《山本由伸より話せる説》浮上のまさか

  1. 6

    大阪万博の目玉 344億円の巨大木造リングはほぼフィンランド産…「日本の森林再生のため」の嘘っぱち

  2. 7

    吉沢亮のアサヒビールだけじゃない!業界別CM「絶対NG」のタレントたち…ケンカ、運転事故、不倫はご法度

  3. 8

    開成合格でも渋幕に入学する学生が…強力なライバル校出現で揺らぐ唯一無二の存在

  4. 9

    【福井県おおい町】名田庄の自然薯そばと「大飯温泉」

  5. 10

    確率2%の抽選で10万円で永住権を手にした在米邦人が語る 7億円「トランプ・ゴールドカード」の価値