楽天・黒川内野手 “敵に塩を送った”男のバックグラウンド
「息子はもともと早大か慶大で野球をしたいという憧れがあった。関西の高校野球部で両大への進学者数が一番多いのが智弁和歌山高ということで『じゃあ一番近道でもある智弁にしたらどうか』ということで決まりました。同校の練習が厳しいことを知っていたので、中3の夏以降の半年間、ボクシングジムにも通わせて、10キロ増量させて送り出しました」
いざ入学すると7月までの間に9キロも体重が落ちるほど、練習は過酷なものだった。しかし、両親は「弱音や愚痴を聞いたことがない」と口を揃えて言う。
■5季連続甲子園出場
迎えた夏では1年生ながらレギュラーを掴み甲子園へ出場。翌年のセンバツでは準優勝に輝いた。目標に「日本一」を掲げた5度目の甲子園となる最後の大舞台では、3回戦で奥川恭伸(ヤクルト)を擁する星稜と対戦し、延長十四回の激戦の末に敗退。自身は6打数無安打と辛酸をなめた。この試合は、足のつった奥川に対し、黒川が自身も愛飲する熱中症対策のサプリメントを攻守交代時に渡したことで大きな注目を浴びた。