“雨男”楽天涌井の面目躍如 ロッテ相手に7回3失点でも9勝目
六回、楽天生命パーク宮城がため息に包まれた。
23日のロッテ戦。5回まで完全投球を続けていた涌井(34)が、1死から8番の藤岡に死球を当てた。快挙を期待したファンの落胆がスタンドに広がる中、続く代打の清田には左前打。これでノーヒットノーランも消えると、1番の福田に中越えの適時二塁打を浴び、完封もなくなった。
快投一転の乱調はまだ続く。続くマーティンにも右越えの二塁打。2者の生還を許し、3点のリードも吐き出してしまったのだ。
この日の仙台は試合前から強い雨が降り、開始が37分遅れる悪条件。それでも、ベテランは動じなかった。実は雨中での登板はこれが今季3度目。前2回はいずれも白星を手にした。試合中に1時間超も中断した7月1日のロッテ戦は5回2失点。同15日の西武戦は7回無失点で「打球が飛ばない。ストライクゾーンで勝負するのが雨の日の戦い方」と涼しい顔だった。
結局、涌井は7回3失点。七回裏に浅村の勝ち越し2点本塁打が飛び出し、9勝目を挙げた。快挙は消えたが、雨男の面目躍如だった。