巨人独走許すセ5球団の不甲斐なさ CSは廃止せよと言う理由
もし、今年のセ・リーグにクライマックスシリーズ(CS)があったらと思うと、ゾッとする。
ソフトバンクとロッテが熾烈な優勝争いを繰り広げるパ・リーグとは対照的に、首位を独走する巨人と2位中日のゲーム差は実に12・5。3位阪神も14ゲームの大差をつけられている。コロナ禍で中止になっていなかったら、中日や阪神の選手ですら「どのツラを下げてCSに出ればいいんだろう」と複雑な思いを抱いたのではないか。
2012年の私がそうだった。中日の一軍投手コーチに復帰し、シーズンは2位。ヤクルトとのCS第1ステージを突破して、最終ステージではリーグ優勝した巨人に3連勝で王手をかけた。しかし、シーズンでは巨人に10・5ゲーム差をつけられる惨敗だっただけに、「胸を張って日本シリーズに臨んでいいものか」と自問自答した。
もちろん、せっかくの敗者復活の機会をムダにはできない。一度は死んだ身、と選手も私も開き直って戦った。それが3連勝という結果になったのだが、4戦目からの3連敗で終戦を迎えた際は、「やはり巨人は強かった」と素直に拍手を送るとともに、ホッとしたのが正直なところだった。