著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

無策の陸連 エリートマラソンを消滅させるべきではない

公開日: 更新日:

 かつてお家芸を誇った日本のマラソンはいま風前のともしびだ。生き残るのは東京マラソンだけといわれ、最古のびわ湖毎日、新人登竜門だった別府大分、国際大会の草分けである福岡国際の運営も火の車。陸連には何の対策もない。

 日本のマラソンは極めて特殊な発展を遂げ、エリートレースは日本独特のイベントだ。例えば、円谷幸吉の最後のマラソン1967年3月の水戸マラソン(現勝田マラソン)には226人が参加し、円谷は9位で2時間23分37秒。2カ月後に開かれたエリート大会、毎日マラソンの優勝記録は2時間25分53秒。大衆レースとエリートが高いレベルで共存してきた。

 コロナで中断中の大衆マラソンはいずれ賑わいを取り戻すだろう。問題はエリートだ。日本には駅伝で鍛え2時間10分を切る現役ランナーが約40人いる。アフリカの時代と言うが、海外の大会はどれも大衆とエリートの混合でコロナ禍のいま、彼らの舞台はない。例えば世界マラソン選手権、世界駅伝選手権を実現できるのはエリート大会の歴史を持つ日本だけ。

■既得権益ではない

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…