巨人に4タテ完勝 ソフトBの執念を象徴する初戦9回裏の反省
一方の巨人は頭を抱えただろう。パは終盤までロッテ、西武を含めた三つ巴の優勝争いを繰り広げ、CSまであった。結局、相手がソフトバンクと決まったのは日本シリーズ6日前の11月15日。これでは分析といっても付け焼き刃にしかならない。
■凡打でも全力疾走
ナインの意識にも差があった。ソフトバンクの球団スタッフは「連勝しても慢心した選手はひとりもいなかった」と、こう続ける。
「『巨人は弱い』なんて相手を軽んじるどころか、選手は口々に『今はウチが流れに乗っているだけ』と話していた。ある主力は『流れで勝っている以上、いつ巨人に流れが行くかわからない』と危惧していたほどです。顕著だったのが初戦、九回裏のウィーラーの犠飛です。あの試合は5―1で勝ったものの、犠飛を許した際に、左翼からの中継に入った遊撃の川瀬が、試合後、ナインから『ホームに投げてればアウトだっただろう』『そもそも走者すら見てなかっただろ』と、散々指摘された。川瀬は23歳と若く、日本シリーズ出場も初。だから、『そういうときは三塁を守ってるおまえが指示すべきだろ』と、28歳の牧原まで叱られた」